
あおいクリニックは2008年4月に大阪府交野市にオープンした。 岡本院長は大学病院や民間病院で手術を中心的に行ってきたが、手術をしない患者様に対して十分な治療を提供できないことにジレンマを感じていた。
その後、運動療法の大きな可能性を知ることとなり、手術にいたる患者様自体を減らせるという確信を持ち、それを実践する場を実現したいという気持ちを抑えきれなくなったことが開業のきっかけと振り返る。
あおいクリニックは、開院当初から毎日40人を超える患者様が来院されている。同院の特徴は最先端のIT機器を導入していること。電子カルテシステムが13台、画像ファイリングシステムが8台導入されており、診察室、レントゲン室、リハビリ室 といった院内のあらゆる場所で電子カルテの閲覧・入力、レントゲン画像・MRI画像の閲覧が可能となっている。
整形外科、特にリハビリテーションに力を入れている同クリニックでは、複数のスタッフが情報共有を効率的に図れるよう、開設当初から電子カルテ・PACSを複数箇所に導入し、運用していくことを念頭に置いたクリニックづくりがされている。
PACSの選定にあたっては、選定ポイントとして、「使いやすさ」と「サポート」を第一にあげている。
「使いやすさ」については、「複数の製品を比較した結果、オーク情報システムの『INFINITT PACS』は断然使いやすい」と岡本院長。 使いやすさの秘訣は、電子カルテとの連動、サムネイル画像の表示などをあげられたほか、特に角度の測りやすさについて、「もうこの機能は手放せない」と院長は高く評価している。
「サポート」については、「こちらの要望にいつでも応えてくれる体制が整っている」と高く評価している。 韓国メーカーであるINFINITT社と日本の医療機関の間にオーク情報システムが入ることにより、 スムーズなサポートが実現しているようだ。

待合室は、日頃から混雑しており、患者様が待ち時間を少しでもリラックスして過ごせるようにと、全体的にゆったりした設計となっている。また。水槽などを配置し、患者様の目を楽しませる工夫もされている。

受付では、診察券を受け取り、電子カルテにチェックインを行っている。これは、紙カルテのクリニックでいう「カルテ出し」の作業にあたる。患者様の順番が来たら、カルテの受付一覧にもとづき呼び出しを行う。

レントゲン(CR)やCTの画像は、「INFINITT PACS」にDICOMデータとして全てリアルタイムに集約される。それらの情報を用いて患者様にインフォームドコンセントを実施する。 撮影後すぐに患者様に説明できることが、デジタル化の最大の利点とのこと。

混雑時にも診察を効率的に行えるよう、メインの診察室の他にサブの診察室を3箇所用意している。 3つの診察室にはそれぞれ、「INFINITT PACS」が設置され、どの部屋でも読影、患者様への説明が行える環境が整っている。

さまざまな部位を撮影できるよう、レントゲン室には臥位撮影台と立位撮影台が設置されている。 整形外科特有の角度をつけた撮影にも対応できるよう、 X線撮影装置を自在に扱かえる、握りやすい円形の新形状ハンドルを採用している。

レントゲン室の横には、操作室が設けられている。整形外科は複数方向の撮影を行うことから必然的に撮影枚数も多くなる。 そのため、複数のカセッテを同時に読み取れるCRとコンソール(画像制御装置)が配置されている。

整形外科の領域では、腰の曲がった被験者やまっすぐに寝ることが難しい患者様が多いことから、 オープンMRIを採用している。MRIで撮影された画像は「INFINITT PACS」のサーバーにDICOM形式で管理される。

過去に撮影した、
【1】患者様リストから患者様を選択し、患者様ごとの
【2】画像シリーズから目的の画像を選択すると、
【4】該当画像が表示される。
また、簡易なレポート機能にコメントを入れておくことで、画像がより選びやすくなる工夫が施されている。

クリニックでは、画像のサムネイル表示により、過去の画像を素早く直感的に閲覧できることを高く評価している。 また、サムネイル表示のレイアウトは使用するスタッフの嗜好に応じて、縦表示・横表示と自由に配置できる。

一般の画像ファイリングシステムにおいて角度を測定する際は、3点を指定して測るが、整形外科医にとってはそれでは不十分とのこと。「INFINITT PACS」は、画面上では交わらない2本の線について、その間の角度を計測できる機能が備わっている。この機能が備わっていることで、業務効率が数倍上がったとのこと。

レントゲン画像やMRIの画像を見せながら、患者様に今後の診療方針などを説明する。この際、過去の画像を瞬時に比較できることもPACSのメリットのひとつである。

「症状が出てしまうほど低下した状態から本来の身体機能を自らとりもどしていただく。」その思いを形にするため、診療所としては大規模なリハビリ室(323m²)があり、電気治療・牽引など受け身の治療ではなく、「理学療法・運動療法」など能動的な治療を積極的に行っている。

郡津駅近くの2階建ての商業ビルの2階にあおいクリニックはある。近隣住人の方が通いやすいよう大きな駐車場を完備している。
あおいクリニック内にある「レントゲン」と「MRI」の2種類の画像が、オーク情報システムの「INFINITT PACS」 サーバーにDICOMデータとして蓄積され、瞬時に画像の確認、印刷を行うことができるようになっている。サーバー容量は1TBのミラーリングで、放射線画像の保存義務期間を十分にクリアできる環境を用意している。
このシステムについて、放射線技師の杉氏は、「システムメーカー各社の努力と工夫によって非常に使い勝手の良いシステムができあがった」 と満足げだ。画像ファイリングシステムの保守対応は、一般的に電子カルテに比べてあまり重要視されない傾向にあるが、 難しい要望に対しても応えようというオーク情報システムの姿勢を高く評価されていた。
リハビリ室においても電子カルテと画像ファイリングシステムが同じ画面で閲覧でき、 画像を見て電子カルテに記入することができる。近藤理学療法部長は、「リハビリ室で即座に画像を確認できることのメリットは大きい」とIT化の効果を高く評価する。
画像ファイリングシステムにより、診察室、リハビリ室、レントゲン室において、医師、放射線技師、 理学療法士がリアルタイムで情報を共有できるようになり、比較的大きな規模のクリニックであるにもかかわらず、 チーム間の共通認識を図ることに成功した好事例であった。
(執筆・取材 メディプラザ統括マネージャー大西 大輔)
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