泉屋院長は、大阪府泉佐野市のJR日根野駅付近にて2007 年12月にクリニックを開設した。 日根野を選択した理由は、泉屋院長の生まれ故郷であったことと、泉佐野市には院長が専門としている、 消化器内科を標榜した医療機関が少なかったため、地域住民に貢献したいという院長の熱い思いがあったことからである。
泉屋院長は、大学附属病院の関連病院である救命救急センターや民間の病院にて、 常に最新の医療技術・知識を身につけ、 診察、治療、研究を行ってきた。 特に専門である消化器分野に関しては、数々の消化器疾患の検査・治療に取り組んだ(胃カメラ検査:約 1万3000件、大腸カメラ検査:約7500件)。 こうして得た確かな技術と、最新の医療機器を用い、診療所では患者様のご希望に合わせた検査方法で、苦痛のない安全な胃カメラ検査、 大腸カメラ検査を中心とした診療を行っている。
・見たい画像をすぐに検索できる機能は、患者様を待たせることがないため、選定のポイントとしてこだわりたい点であるとのこと。
・内視鏡の所見の記載ができないPACSが多い中、所見の記載ができる点を高く評価されている。
・DICOM、非DICOMの区別なく、さまざまな画像の取込ができるのは画像検査が多い内科にとって、非常に重宝するとのこと。
・医療機器や電子カルテとの連携がスムーズであれば、検査画像と患者様の診察後のひも付け作業が必要なくなる。事故防止の観点からも、連携は重要とのこと。
初めてクリニックに来られた患者様には、受付時に問診票の記入をお願いしている。 患者様から問診票を受け取ったのち、ファイルに挟んだ問診票は、院長へ手渡される。 電子カルテを導入しているクリニックではあるが、問診票など紙を使用した情報連携をスムーズに行うため、設計の段階で導線の確保がされている。ファイルは受付窓口の背面の棚にて保管されている。
電子カルテ端末1台にて受付と会計の両方を行っている。一日の外来患者数は80人ほどであるが、 端末1台で十分対応ができるとのこと。
診療所内は広々としており、待合室には大型モニターが取り付けられている。モニターを壁にはめ込んでいるため、周囲と調和がとれたモダンなデザインとなっている。診察を待っている患者様が退屈しないように、テレビを観ていただくだけでなく、モニターの左右にお知らせポスターを飾り、患者様の視線を集中させるなど、設計の段階から工夫をこらしている。
受付から届いたファイルの中から、前回の検査結果を確認したのち、診察を行っている。診察をした結果、検査依頼が必要となった場合は、医師はこのファイルに電子カルテで印刷した指示箋をキャスターに入れ、 看護師は指示箋が発行されているファイルを処置室に運ぶという流れである。
診察室のデスクには、コニカミノルタヘルスケアの画像ファイリングシステム「REGIUS Unitea」(写真左)と 電子カルテ(写真右)が配置されている。モニターを患者様に見やすく設置することで、検査後の説明などにとても役立っているとのこと。画像ファイリングシステムと電子カルテはリンクされており、電子カルテの連携ボタンを押すと、 画像ファイリングシステム上で前回閲覧した検査画像をすぐに閲覧することができる。 また、医療機器へのオーダーエントリーも簡単に行える。
電子カルテ(写真右)の連携ボタンを押すと、画像ファイリングシステム上で、その患者様の検査画像の履歴が、前回最後に閲覧した状態で表示される。画像ファイリングシステム上の、オーダーエントリーボタンを『ON』にし、イメージプレート(カセッテ)をCRに挿入すると、 自動的にX線画像が取り込まれる。
第2診察室は、検査室としても使用されており、超音波、心電計などの検査を行っている。超音波データは、医療機器側で診察券番号を入力すると、DICOM形式で出力され、直接画像ファイリングシステムへ転送される。
内視鏡室では、胃カメラ検査、大腸カメラ検査が行われている。壁に取り付けられたモニタは、泉屋院長が検査中に画像を確認するためのもので、患者様は内視鏡装置のモニタを見ながら検査を受けられる。内視鏡のビデオ信号を、Printlink5-IC(DICOM変換装置)で取り込み、DICOM信号に変換すると、オンラインで画像ファイリングシステム「REGIUS Unitea」へ自動送信される。
「REGIUS Unitea」には、内視鏡のレポート機能(オプション)も備えられている。機能メニューに表示されるレポート機能から、報告書に必要な写真の枚数を指定するだけで、報告書が作成できる。
「REGIUS Unitea」では心電計データを保存する方法が、2通りある。心電図から出力される紙の波形データを、スキャニングして保存するのが一般的であるが、 心電計ビューアと「REGIUS Unitea」をリンクさせることで、スキャニングする手間をはぶくことができる。
レントゲン撮影後、カセッテをCR本体に挿入すると、CRによってデジタル化されたレントゲン画像が、 約30秒でDICOMデータで診察室にある「REGIUS Unitea」のサーバーへ転送される。
レントゲン室の隣にCR本体が設置されている。画像制御装置(コンソール)は、「REGIUS Unitea」と一体になっているため、撮影したカセッテを挿入するだけで、簡単に撮影後の処理が完了する。フィルムを現像する暗室が不要なため、現在は院内で使用する備品の保管場所として使用している。
内視鏡検査を終えた患者様がゆっくりできるように、処置・点滴室には、多くのベッドが配置されている。多いときには1日10件の内視鏡検査を行うことがあるため、患者様が安心して検査を受けられるよう配慮されている。
JR阪和線・日根野駅から徒歩5分の好立地に診療所はある。駅から近い場所ではあるが、車で来られる患者様のために、26台の駐車スペースを設けている。入り口は道路に面しており、待合室の様子が見えるように大きな窓を作ることで患者様が入りやすい環境を実現している。
泉屋院長は、長年勤務されていた病院で、電子カルテ・画像ファイリングシステムを使用してきた。 ご開業の際も、これからの診療所経営ではIT化は当然のこととの認識で電子カルテ、画像ファイリングシステムの導入を決めた。画像ファイリングシステムの選定で特にこだわったのは、患者様への説明が容易にできる点である。専門の内視鏡に加え、レントゲン、エコー、心電計などの全ての検査画像情報を「REGIUS Unitea」で一元管理している。電子カルテともスムーズに連動しているため診察、検査、診断、患者様への説明という、一連の診療の流れを電子カルテ・PACSを用いてスムーズに行いたいという思いが、実現されている。画像ファイリングシステムの選定で特にこだわった点は次の通り。
・できるだけ費用をかけずに、医療機器からの画像の取り込みをオンラインで直接行うこと。
・電子カルテから容易に医療機器に検査オーダーをだすこと(ID連携)。
・内視鏡所見の記載。
・内視鏡レポートの作成。
・心電計画像の表示(心電計ビューアと連携させることで、「REGIUS Unitea」のモニタ上で心電図の確認が行える)。
(執筆・取材:メディプラザ大阪マネージャー 石原正規)
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