
神奈川県は横浜市青葉区にある「あおばメンタルクリニック」は、患者さまをゆっくり診るには開業する必要があるとの市村院長の思いから始まった。 市村院長の経歴は普通の開業医とはかなり異なる。東京大学文学部を卒業後、 銀行に勤務。その後、このまま銀行員を続けていても社会貢献をしている実感が少ないと、 37歳の時に医学部に入り直した。当初は奥様の実家の内科医院を継ぐ予定だったとのことだが、卒業後、東大先端研特任講師を経て、昭和大学医学部精神医学教室に入局し、 昭和大学藤ヶ丘病院での勤務を経て2009年に開業した。
クリニックのコンセプトは、「50代、60代が通うアダルトな美容室」。 心療内科、精神科といった敷居の高い診療科において、通いやすく落ち着いた雰囲気をつくり出すことが大切だと先生は話された。 電子カルテの導入については、元銀行マンであり、パソコンにはまったく抵抗がなく、 開業前から電子カルテでいこうと決めていたとのことだった。
市村院長がご専門の精神科・心療内科は電子カルテの導入にあまり向かないというのが 一般的な見解である。その理由は、患者さまの言葉を文字で記述する部分が非常に多いため、電子カルテに備わる入力補助機能が使いにくいためだ。 したがって、精神科・心療内科ではテキスト入力のしやすさが、選定における最重要ポイントとなる。 今回、株式会社ユニコンの電子カルテ「ユニカルテ」を選んだポイントは、
(1)操作性
(2)サポート
(3)機能
(4)実績
(5)価格
のうち、「操作性」と「機能」の2点。
特に操作性については、テキスト入力のしやすさが重要と考え、カルテを開いてすぐに書ける方式を重視した。 また、ユニコンの特徴である「カルテを書きながら、サマリを簡単に作成できる機能」も、重要な要素であったとのこと。
その他、メディプラザの来場者にも高く評価される、シンプルな画面レイアウトや薬の説明用データベースも採用のポイントであった。
見取り図
大通りに面している待合室は、ブラインドを上げれば外光が入り、とても明るい雰囲気である。 クリニックのコンセプトである「アダルトな美容室」の雰囲気をだすために、BGMにはクラシックを選曲。 椅子の両脇にあるデザイン性の高いスピーカーから落ち着いた楽曲が流れている。

受付では、患者さまからパソコンのモニタが見えないように、カウンターを高くするなど、工夫が施されている。また、初診時は問診票を患者さまに記入いただき、それを元にカウンセラーが詳しくヒアリングを行っている。

受付と会計を行うため、電子カルテ端末が受付に1台ある。画面には各患者さまの状況が表示されている。 電子カルテとレセコンが一体となっているため、受付の端末は1台のみである。

受付のカウンターには、電子カルテの端末に合わせて切り込みが施されており、すっきりとしたデザインとなっている。

カウンセリングルームは2つあり、その前には中待合いがもうけられている。患者さまに待ち時間を有意義に過ごしていただくよう、椅子の隣には自動血圧計が置かれている。

カウンセリングルームでは、臨床心理士による、問診票を見ながらの、予備診療が行われている。予備診療の情報は電子カルテに入力せず、紙のまま残されている。

診察室には電子カルテ「ユニカルテ」が配置され、その隣にはインターネットにつながったパソコンが置かれている。電子カルテはインターネットにはつながっていないため、調べ物や患者さまとのメールのやり取りは、電子カルテとは別のパソコンで行われている。

電子カルテは2号用紙そのままの見開きタイプである。市村院長はパソコン操作があまり苦ではないとのことで、直接キーボードでカルテを書いている。

電子カルテの操作に集中しすぎて、患者さまとのやり取りがおろそかにならないように、初診時はあまりカルテ入力を行わず、診察の合間に入力することもあるそうだ。

サマリ画面では、カルテの情報をその都度、簡単に切り貼りできるため、即座にサマリができていく。経過の長い心療内科ではカルテをいちいち見るのが大変なため、このサマリ機能は大変重宝しているとのことだった。

心療内科は診断書や紹介状の他に、精神科特有の書類もあり、非常に文書作成が多い。カルテの内容を即座に文書に反映できる機能は大変重要であり、「これを1枚1枚手書きで書くのはとてもではないが、できない」と、市村院長は訴える。

薬の添付文書のデータベースは患者さまに薬の説明に大変有効である。心療内科は睡眠薬や抗うつ剤など、その取扱いに非常に気をつかう薬を多数扱うため、患者さまへの薬の説明は薬局任せにできない。

処方箋はその場でプリントアウトして、患者さまにお渡した上で説明を行う。処方箋に基づき再度、薬の説明を行うことで、2重のチェックがかかり、危機管理の観点からも重要だとのこと。

処置室には、気分が悪くなった患者さまのために点滴などの用意と心電計が設置されている。

クリニックはビルの2階にある。周囲から診療所に入ることを見られないよう少し死角にするなど配慮がされている。ちなみに1階はオーダメイドスーツの店舗が入っている。
市村院長は、ご専門が精神科・心療内科ということもあり、電子カルテ導入について最も重視していたのは、「操作性」であり、 中でもテキスト入力のしやすい画面レイアウトと、カルテ情報の2次利用である。心療内科は、文書類が多い科のひとつであるため 、サマリや診断書の転記も重視して電子カルテを選んでいる。
電子カルテ導入の効果について市村院長は次のように述べる。 「心療内科では直接カルテ入力できることが絶対条件であり、しかも、ある程度大きな入力のためのスペースが大切である」 「患者さまとのインフォームドコンセントを重視しており、電子カルテに収載されている薬の添付文書情報などが一役を買っている」 「再診の多い診療科のため、情報を一度に見られるサマリ機能は非常に重宝している」 ユニコンの「ユニカルテ」は開発の当初から医師が関わっており、操作性、データの2次利用、 インフォームドコンセントといった医師が最も気にするポイントに配慮したシステムである。 そこには、誰でも簡単に、ストレスなく電子カルテの導入を支援するというユニコンのポリシーがある。
また、レセコンメーカーの老舗であるユニコンのレセプトチェック「満点レセプト」についても、 「このチェックのおかげで、開院以来、返戻がゼロです」と市村院長は高い評価をされていた。 心療内科特有の「操作性」への強い要求と、元銀行員という経営感覚の高さに、見事に応えた電子カルテの好事例であった。
(執筆・取材:メディプラザ統括マネージャー 大西大輔)
医療機関の安心感,スタッフとの近い距離感,施設の高級感が魅力の、地域住民が毎日通いたくなる健康増進施設
![]()
メディカル・ウェルネス 導入事例