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ヒルサイド眼科クリニック Medicom-HR 導入事例 パナソニック ヘルスケア株式会社

はじめに

2010年10月に開業された「ヒルサイド眼科クリニック」は、静岡県伊東市の伊東駅から車で10分程度坂を上った小高い丘の中腹にある。院長である土田覚先生と、副院長の香菜先生はご夫婦で開業されている。 副院長先生のお父様は内科クリニックを開業されていた。その場所と建物を引き継いで、お二人は眼科クリニックを開業された。

同地域にはもともと眼科がなく、周囲の強い勧めもあり、開業を決意されたとのこと。開業して半年以上が経った現在では、近隣からはもちろん、同クリニックの噂を聞きつけた遠方の老人ホームからも患者様が来られているという。そして、院長先生、副院長先生ともに、ヒルサイド眼科クリニックで診察をする一方で、都内の医療機関にも定期的に勤務されているという。

システム導入のポイント

同院は、はじめから電子カルテの導入を強く意識していたわけではない。開業するにあたり、友人のクリニックをいくつか見学していく中で、電子カルテの良さを実感し、電子カルテの導入が選択肢として挙がったとのことだった。また、「電子カルテは、医療のIT化が進む中で、今後ますます必要となっていくことが予想される。それなら時代の流れに乗った方が良いと考えました。さらに開業後に時間をおいて導入すると、紙カルテからの移行の際に大きな負担がかかってしまうので、開業時から導入した方が合理的と判断しました」と院長先生は当時を振り返る。

電子カルテの選定にあたっては、
(1)操作が簡単であること
(2)導入費用を抑えるため最低限の端末台数で運用できること
(3)レセコンの機能に高い評価と実績があること
(4)倒産せずにサポートを継続できる企業であること
などがポイントとなった。

特に重要視したのは、(2)のIT化の範囲と導入費用のバランスを考えた運用にあった。「電子カルテの導入は診療報酬点数ではほとんど評価されません。だから“評価されないものに大きな投資をするのはリスクが高い”と考え、すべてをIT化せずに、一部を紙で運用することにより端末台数を最小台数にとどめ、その構成でも使いやすい運用を提案された、パナソニック ヘルスケア『Medicom-HR』を選びました」と副院長先生。また、先代のクリニックがパナソニック ヘルスケアのレセコンユーザーであったことも、企業としての体制、サポートへの安心感につながったとのことだった。

同クリニックでは、「問診」「検査結果」などをまとめたメモのような紙カルテと、電子カルテを併用している。診察室では、問診や検査結果がまとめられた紙カルテを確認しながら、電子カルテに所見やオーダーを入力していく。完全ペーパーレスに主眼を置くのではなく、一部紙を併用した「ハイブリッド型」の電子カルテ運用と言えるだろう。

また、導入準備について、「電子カルテを使いこなすためには、入力シートの作り込みがポイントで、導入時の打合せを念入りに行うことが大切」と副院長先生は当時を振り返り話された。電子カルテは導入時にインストラクターが入力シートなどの作り込みや、オーダーセットの設定など、クリニックに合わせてカスタマイズしていく。しかしながら、このカスタマイズは、電子カルテの運用を開始してしばらく経つと、実際の診療スタイルに合わせたさらなる使いやすさを出すための見直しが必要になってくる。その対応を適切に行ってくれる体制であるかどうかも、電子カルテメーカーの選定には重要な要素であろう。院長先生は「導入後のサポートはメーカーで差があると言われていましたが、安心してお任せすることができました」とパナソニック ヘルスケアに信頼を寄せている。

導入の現場

見取り図

見取り図 検査室 受付 待合室 診察室

受付

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受付

受付で、事務スタッフが診察券と保険証を預かり、電子カルテに受付登録をする。初診の際は、紙の問診票を患者様に手渡し、記入を依頼する。

 

待合室

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待合室

待合室で患者様に問診票を記載していただく。問診票は、デジタル化せず紙で運用しているため、記入後に、必要な点を受付スタッフが電子カルテへ入力して、医師と情報を共有する。

 

検査室

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検査室

検査室では、視力検査や眼圧検査などを行い、その検査結果を紙カルテに書き込んだり、貼付したりする。

 

診察室

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診察室

診察室では、問診票や検査結果を見ながら、必要に応じて、スリットランプなどの追加検査を行う。診察をしながら、電子カルテに主訴・所見並びにオーダー入力を行う。

 

製品の特徴

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特徴1:カルテ

特徴1:カルテ

問診票、検査結果などを添付した紙カルテに基づき、電子カルテで主訴・所見、オーダー入力を行う。紙カルテと電子カルテを併用し、アナログ、デジタルそれぞれの良さを生かした運用を行っている。

 

特徴2:オーダーシート

特徴2:オーダシート

オーダーシートは事前に十分な打合せを行い、眼科向けにカスタマイズされている。電子カルテの導入準備を先生方は振り返り、「眼科クリニックで電子カルテを使いこなすためには、シートの作り込みがポイント。要望を具体的に提示して何度も打ち合わせを行った」と話された。

 

特徴3:文書作成

特徴3:文書作成

静岡県伊東市と都内の2拠点で診察している同クリニックにとって、眼鏡処方せんや紹介状などの文章が、素早く簡単に作成できることは必須条件。運用によっては、カルテ情報を簡単に転記するといった、2次利用ができる電子カルテの強みを最大限に活かせる。

 

会計

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会計

診察終了後、入力されたオーダー内容を確認し、処方せんや紹介状等の発行と会計を行う。電子カルテの導入で、レセコンへの入力業務が削減され、その分受付では、患者様に対してこれまで以上に丁寧な診療案内や、説明が行われている。

 

スタッフとクリニック開設の思い

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スタッフとクリニック開設の思い

伊東市で診察した患者様に手術が必要になった場合、最新設備が整った都内の病院で迅速に行うことができる。伊東市在住の患者様が、いつも東京まで通院するのは大変であるが、手術の時のみ東京に行き、後は地元で診ることで患者様の負担をかなり抑えることができる。この2つの場所を行き来する診療スタイルが、東京と伊東間の医療の地域格差を埋めているといえる。

 

まとめ

院長先生、副院長先生のお二人は、これまで電子カルテの使用経験はなかったとのこと。しかし、「『Medicom-HR』は操作が簡単でしたので、とまどうことなく使えました。また、事務スタッフも医事請求の操作をすぐに覚えることができました」と話されている。操作が覚えやすく、すぐに運用できるという点は、電子カルテを導入する上で多くの先生方が条件として挙げるポイントであり、もちろんヒルサイド眼科クリニックにとっても重要な選定ポイントとなった。導入した電子カルテが、なかなか操作が覚えられず使いにくいままであることは、日々のスムーズな診療を行う上での致命傷となる。

また、1週間のうち、半分を伊東市の同クリニックで、半分を都内の勤務先で診療するお二人は、紹介状など文書作成の頻度が多い。電子カルテのメリットの1つである、「カルテ情報の2次利用」により、「紹介状などの書類作成が簡単にできる点」を非常に有効に活用されている。「都心から離れた伊東市でも、首都圏と同レベルの医療を提供したい。それが開業時からの思いでした」と開業の思いを語られる同クリニックの考え方に対し、電子カルテは、有力なツールとなっていると言えるだろう。

眼科クリニックが電子カルテを導入する際、眼科特有のさまざまな検査結果データの効率的な管理を希望されるケースが多い。そのため、「検査結果データを含め、すべてのカルテ情報を電子化する」か、あるいは「検査データなど一部の情報は紙のまま運用して、電子カルテと紙カルテのハイブリッド型にする」という2つの選択肢が考えられる。この2つの運用の違いは、端末台数や機器との接続などに差が生まれ、当然IT化にかかるトータルコストに跳ね返ってくる。2つの運用方法のうち、どちらを重視するかは、クリニックそれぞれのIT化に対する考え方によって異なることだろう。同クリニックは、「電子カルテの導入目的はペーパーレスや完全なデジタル化ではなく、患者様により良い医療を提供するために、診療に集中できる環境を整えること」と考えて、「ハイブリット型」の運用を選択された。患者様にとって「適切な、当たり前の医療を提供したい」、それは「地域にとらわれずに、高水準の医療を提供する」とも言い換えることができる。このような考え方に基づき開業された同クリニックは、「ハイブリット型」の選択と、その活用による患者様への貢献が、電子カルテの導入と運用において、当然のことであったのだろう。

取材・執筆:メディプラザ統括マネージャー 大西大輔

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